私からのメッセージ 【学校(塾)の先生方へ!】

~ 先生方とのカウンセリングの私の想い ~

 まずは、このHPへログインいただきありがとうございます。
 このページでは、私が先生方とのカウンセリングについて日常的にどう考えているのか、その基本的なところをお伝えできれば、具体的な相談を始めていただけるのではと思い、少し長くなりますが、お読みいただければ幸いです。

教育という仕事とストレス

 「教育」という営みに従事されている先生方の日常の悩みは、ストレスによる体調不良や自信や意欲の極度の喪失での全国的に休職率の多い職業がいわゆる教育現場の先生であることからも、他業種にない特殊性と深刻さを物語っています。
 それは、日々の教育実践の中に、いわゆる事態(問題)を解決する即効的な処方箋のようなものが存在しないだけでなく、問題を解決する取組みが、我慢強く、忍耐強く継続されない限り、生徒や子どもの明らかな変化や成長を見ることができないということにも起因しています。
 もちろん、授業のとある場面での指導方法や生徒指導における個々の問題行動への対応には、確かに長い間の実践の蓄積があり、現場での先生方の悩みに答えてくれる指導法が多様に存在することも事実です。

 多くの民間教育団体やサークルも、それらの実践報告を発表していますから、すでにそれらを参考に、あるいは教職員集団の論議を経て、先生方は問題解決に立ち向かっておられることと思います。

 しかし、私が指摘するまでもなく、先生方の悩みはその指導法というハウトゥーをはるかに超えたところに存在し、改善しない事態の前に暗澹たる思いをかかえながらも、生徒のために奮闘する自分を奮い立たせておられるのですが、強大なストレスが先生を日々蝕んでいくというのが現実ではないでしょうか。

問われる「信頼・慈しみ」とストレス

 その主たる原因は、言うまでもなく仕事の対象が生徒という対人(人間)であることだろうと思います。
 確かに全ての仕事が人を対象にはしていますが、八百屋さんには「野菜」と言う媒体があり、銀行には預金などの「お金」という媒体が存在しているのに対し、教育という仕事は、直接的に人と関わっている特殊性があります。
 これはとても大変なことなのです。

 なぜなら、そこには必ず「信頼」と「慈しみ」の存在が問われるからです。

 もちろん八百屋さんとお客との間にも信頼関係は必要です。
しかし、その関係を築くには、まずは「新鮮で美味しい野菜を安く提供する」という明確な条件があり、経営面から言えば、それは重要なノウハウなのです。このノウハウを守っている限り、八百屋さんは、過大なストレスを抱えるほどの危機的な状況に陥らないことも事実なのです。

 しかし、教育という営みの全体像に、明確なノウハウが存在しているわけではありません。「教育技術法則化運動」にみられるような授業や指導方法などの「指導技術」は多様に存在していることは否定できません。しかし「信頼」と「慈しみ」への限りないアプローチにノウハウはなく、そこに何かを見つけだそうとされている先生の努力に比例して、実はストレスの種が増え続けると言っても過言ではありません。

問題解決とカウンセリング

 ところが、悩みによる過度なストレスを効果的・短期的に解消する方法は、実は全く存在しないのです。 たしかに、いわゆるストレス解消法は数多く存在しています。趣味に没頭したり、スポーツをしたり、適度なお酒や人との語らいもストレス解消法のひとつだと言われています。

 しかし、それらはある一時期、問題を忘れさせてくれる、つまり考えなくてもよい時間をもたらしてくれるかも知れませんが、次の日に職場(学校)へ行けば、また同じ問題を抱えたままの自分が居る現実を否応なしにつきつけられるはずです。

 つまり、いわゆるストレス解消法は、実はどれもストレスからの「一時的逃避法」にすぎないのです。

 わたしは、単純な言い方をすれば、仕事のストレスは仕事内で問題解決されるしか解消されず、夫婦間のストレスは夫婦間での問題解決(例えば話し合い)しか解消されないという原則があると考えています。

 つまり、先生方が抱えておられる仕事上でのストレス・悩みは、やはり日々の教育実践や取り組み(行動)でしか解決されないのです。

 問題解決に向けて、長期的な展望を持ち、じっくりとゆっくりと取組みを進めながら、常にその結果や成果を少しでも分析し自分の取り組みが、徐々に前に進んでいる実感を味わいながら、ポジティブな自分を創造していく、そんな地味な作業の連続の到達点に、先生のストレス・悩みの解消があるはずです。

 カウンセリングや相談の最悪の結果は、「しばらく様子を見る」という結論です。胃の調子がおかしくて診断を受けた際に、医者から「しばらく様子を見ましょう」と処方箋の薬をいただく場合があります。それは、その時点においてきわめて軽い症状である判断があり、症状が重くなった場合の対処方が十分準備されているからこそ、薬を投与しながら「様子を見る」期間があっても問題がないわけです。

 しかし、先生方の悩みは、すでに一定期間を経て形勢されてきたものであり、カウンセリングを受けに来ていただいた時には、もはや「様子を見る」ゆとりなどあるはずがありませし、「様子を見る」で解決の糸口が見えてくるほど事態は甘くありません。

「教育相談室」のカウンセリング

 「教育総合相談室」は、カウンセリングというより、その地味な作業の中身を先生といっしょに考えます。明日の先生の行動の具体的な内容を、先生と一緒に導き出しながら、それを先生に日々取り組んで頂き、結果を検証しながら、さらに次の行動・取組みを導きだしていく手法をとっています。

 ですから私のカウンセリングに、いわゆる「○○法」などという特別な名称があるわけではありません。
 先生の話し・報告をじっくり聞き、問題の取組みへの方向を整理し、先生のネガティブ面を取り除き、先生ができうる次の明日の具体的な取組・行動を、お互いの了解の上に決めていく、きわめてシンプルな方法にすぎません。

 そして、その行動・取組をじっくり進めながら、また次の明日の行動を探っていくと言う連続の中で、先生の問題への姿勢が変化し、前向きになり、解決される見通しが生まれてくれば、相談室のお手伝いは終了します。

 強いて言えば、先生は問題解決に立ち向かう立場、つまり自立に立ち向かう立場であり、私はその自立を促す存在にすぎません。

ひととともに

 大きな問題を抱えながらも、一人で問題に立ち向かい解決した美談が語られますが、本当は一人で乗り切った人は皆無なんです。
 人は人と関わり合いながら、気持ちを整理し、事実を見つめ、考え方を変え、問題に立ち向かおうとします。人が成長する過程には、少なからずもう一人の存在がいて、互いに「自立に立ち向かう」「自立を促す」立場を演じ合うという営みを繰り返しているのだということを、常に実感しています。

 教育相談室は、先生のある一定の期間、そのもう一人の存在としてお役に立てればと願っています。

 どうか、気軽に相談メールをお送りください。

< NIWA教育相談室(大阪) >
TEL.06-6191-9007/FAX.06-6191-9005
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