地元広報誌「うえまち」コラム連載中!もし、我が子が不登校になったら?

第64回

不登校とゲーム依存症②

 前回の連載で、不登校の生徒がゲーム三昧の生活になり、それがゲーム依存へとはまってしまう分岐点のひとつは、食事をしながらもスマホなどでゲームをしているかどうかいう点であることは述べました。実際に食生活に支障が出て入院治療の事例もありますので、分岐点と捉える深刻さは必要かと思います。
 では、食事をしながらのゲーム三昧からどう脱却させるべきなのでしょうか?
 もちろん、スマホなどを与えた当初にそれなりの確かなルールを作り守らせればいいのですが、ゲーム三昧の生活にはまってしまっている子どもに、即座に新たなルールを突き付けたところで、それは一時的なものでしかないことは多くの親御さんが経験されています。
 まず、食事をしながらゲームに興じている我が子に「食事中は、ゲームをやめて一緒にご飯を食べてよ!」と普通の言葉で頼んでください。「ゲームをやめなさい!」「いいかげんにして!」などの命令調や叱責はタブーです。静かな口調で、親御さんの願いとして「食事中はやめてほしい!」と伝えるのです。子どもの返事は「分かってる」「もう少しだけ」「うるさいなあ」と様々でしょう。その返答に敏感に反応するのではなく、もう一度「頼むからやめてほしい!」と気持ちを伝えて下さい。そして、2度声掛けをしてそのままなら、その姿に動じず次の日も同じように声をかけ、大変ですが根気よくほぼ一ヶ月は続けてほしいのです。
 今までの事例から言えば、親御さんが本当に静かな口調で声掛け(お願い)を続けていただければ、2~3週間ぐらいで子どもの態度は軟化するものです。しかし、それでも相変わらずの状態であれば、少し強硬な姿勢を見せて下さい。「今日までずっと頼んできたけど、全然変わらず残念!あと1週間待つからやめててね!」と、やめない場合はスマホの支払いを止めるなどの条件を示して最後の通告としてください。親御さんの本気度を示すことも大切です。
 これで食事時のゲームが止まれば、「お母さんのお願いを聞いてくれてありがとう!」と嬉しい気持ちは子どもに伝えて下さい。次はゲーム生活の時間短縮にどう取り組むのかと方向は見えてきます。

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