地元広報誌「うえまち」コラム連載中!もし、我が子が不登校になったら?

第67回

相談事例(37) 「子どもの理屈に対応できない!」

 学校へ登校が欠席気味になったりしたとき、親御さんはやはり登校を促そうとします。ネガティブな状況が深刻な場合やうつ的な症状を感じるときなどは、登校を促すことは我が子にプレッシャーを与えることになるため、私は極力普通の会話を心がけてほしいと伝えてきました。また、そのような状況の時には、親御さんの姿勢として私は過保護的な接し方があってもいいと思っています。
 しかし、欠席気味の時は、まだ少しを余力を持っており、親御さんの促しに対抗してくる場面をよくあるものです。高校1年生の翔太君(仮名)は、6月ぐらいから欠席する日が増えてきました。登校する準備をして部屋からリビングに来ますが、どうも登校する気配がありません。親御さんは、「しんどくないないなら登校したら?」と促しますが、柴田君は「なぜ、学校で勉強せなあかんの?、数学なんてこれからの生活に必要?」と言ってきます。当然親御さんは勉強の必要性や将来のことを話すことで、その言葉に答えようとします。しかし、翔太君はまた「努力が報われるとは限らない」とか「勉強した内容と仕事が関係しないことも多い」とか、親御さんの言葉尻を捕らえて、理屈で応戦してきます。親御さんはわが子の言い分に納得できず、何とか説得しようと話を続けますが、理屈の応酬からついにはバトルになってしまうのです。
翔太君は確かに勉強への疑問などを感じていることがあるのでしょうが、そのことで親御さんと議論しようとしているのではありません。もう今日は登校しないと決めていることに、普段自分が感じていることを取りだしてきて正当化を試みます。また、欠席気味な自分でもいろいろ考えているんだと親御さんにアピールしているのでしょう。
わが子の理屈の言葉にやや不愉快さを感じたとしてもまず受け入れることが必要ですから、「そう思ってるんだね」とか「結構しっかり考えているんだね」と答えるようにし、内容に触れないほうがいいでしょう。翔太君は理屈の言葉で迫ってきますが、実は登校できないつらさを分かってほしいとねがっています。どんな状況であってもプライドは持っているものです。

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