地元広報誌「うえまち」コラム連載中!もし、我が子が不登校になったら?

第72回

相談事例(42) 「新学期を前にして学校に配慮をお願いしたい!」

 いよいよ4月には新学期が始まるわけですが、わが子の新学期からの登校に期待を寄せる相談が多く届いています。クラス替えがあり、担任が変わるなど環境が新しくなれば、わが子の登校意欲も少しは前向きになるのではと期待されるのも当然でしょう。相談室での過去の相談でも、不登校であった生徒が4月の新学期から学校に復帰し何とか通学し続けたという事例は確かに存在しています。しかし、そこには保護者と学校側との密な話し合いや連携があったからこそ、登校を復活できたと言える事例が多いことも事実です。つまり、不登校の原因を学校側の問題として捉えているわけではないのですが、わが子が再び通い始めるために学校側の配慮を、保護者の強い要望として伝え続けたという事実があるわけです。
 例えば、友達関係でストレスを抱え不登校になった事例では、やはり関係が壊れた生徒とはクラスを離してほしいと訴えています。また、不登校であってもたったひとりの友人と今でも関係が繋がっている場合などは、その生徒と同じクラスを維持してほしいと学校側に交渉を続けました。授業にはまだ出席できそうにもないけれど、部活なら参加できそうなので部活参加のみでも認めてほしいなどという内容です。
 今から30年前の私の教師現役時代なら、このような保護者からの要望を学校側が受け入れることは全くありませんでした。保護者が学校側にクラス編成などで要望を出すなど、保護者側も受け入れられない認識を持っていたはずです。しかし、近年生徒を巡る問題は複雑化し、不登校問題ももうどの学校でもどのクラスでも抱えており深刻化しています。学校側にも柔軟な対応が求められており、保護者の要望を受け入れることで、より保護者との連携を深めることも模索しています。
 「我が子は学校に行っていない!」その事実に後ろ向きになるのではなく、保護者の想いを忌憚なく伝える働きかけをされることをお勧めします。小さな環境の変化が、わが子にとって大きな変化として影響する期待を持ち続けてほしいと願ってやみません。

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