地元広報誌「うえまち」コラム連載中!もし、我が子が不登校になったら?

第40回

相談事例⑱ 「わが子の気持ちが知りたい!」

 前回に続いてわが子への腫物に触るような対応について似たような事例を報告します。「今日は休みたい」と言いだす日が増え、子どもが今日は登校するのかどうか気がかりなA子さんのお母さんは、朝のバトルの繰り返しにやや疲れ気味です。「送っていってあげるから」と言っても反応はありません。その態度にイライラした気分が増長し、つい「どうするつもり?」と責めてしまうのです。 B君のお母さんは、3ヶ月以上の不登校のわが子が以前より居心地よさそうな雰囲気で毎日スマホのゲームに没頭している姿に納得できず、このままでは引きこもりになってしまうと心配が募ります。金曜日の夜には「来週の月曜からは行こうと思っている」なんて言う言葉を聞くと、土日はきっと登校してくれるという期待で少しストレスから解放されるのですが、やはり月曜日に登校する気配すらなく愕然としてしまうようです。

 A子さんのお母さんは、まだバトルを繰り返えしてしまうことがあって、声をかけることに疲れてしまっています。B君のお母さんはもうその時期を終えて、やや腫物に触る対応をしてしまう状況です。暗く沈み込んでしまう状況のA子さんと、家の中ではやや明るさを取り戻しつつあるB君、子どもの状況は少し違いがありますが、お母さんは常にわが子が何を考えているのか知りたいと思っています。知りたいと思ってはいるのですが、バトルを懸念したり、「ほっといてくれ!」なんていう返事が返ってきて対応に困りそうで聞くことができない毎日なのです。

 相談の際にそういう状況のお母さんは必ず「子どもは登校しようと思っていると思うんです」とか「自分の生活を変えようと考えているはずです」と、わが子の気持ちを期待を含めて想像されていることに気づきます。今世間で問題となってる「忖度」みたいなものです。しかし、知りたいならしっかり聞くべきです。「どうするつもり?」はタブーです。「どうしたいと思っているの?」とか「今日は登校する?休む?」などのように二者択一の聞き方がベターでしょう。ただし、子どもの返事に過敏に反応しては行けません。「うるさい!」と言われたら「ごめん」と、「わからん!」と返事が返ってきたら、「じゃ考えといてね」と引き下がれるゆとりがお母さんに必要です。詳しくは次回に続けます。

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