地元広報誌「うえまち」コラム連載中!もし、我が子が不登校になったら?

第41回

相談事例⑲ 「わが子の気持ちが知りたい!②」

 わが子の気持ちを知りたいときどうするのかの続編です。
不登校の初期にみられる傾向ですが、子どもの状態がそうとう沈み込んでいる場合、この時期は気持ちを聞いたり確認したりすることはできません。不登校である自分をみじめに感じたり、親御さんが自分のことをどう思っているかなど、考えすぎてしまいネガティブな思考を繰り返しているわけですから、まず、家庭内で少しは快適に過ごせるようになってくれることが必要です。これには何よりも普通の会話が大切であることは既に述べてきました。朝起こしたときに「今日は登校するの?」と聞いてしまいますが、それは「登校する」という返事を求めていることにすぎません。

 普通の会話も成立することもあり、自宅でやや快適に過ごせるようになると、子どもの表情にも変化がみられます。テレビを見ながら笑ったり、ゲームに夢中になったりしている姿を見ると、親御さんは「この子は学校へ行こうとしているのか?」「これからのことはどう思っているのか?」など自分の状況を深刻に捉えているのかと不安になるものです。そして、何を考えていのるか知りたい想いが募ります。

 聞きたいことや知りたいことがあれば、答えやすいのは二者択一のような質問です。「どうするつもり?」は子どもを責める言葉ですし、「どう思っているの?」という質問は直接すぎて答える子どもは言葉を選ぼうとしてしまいます。そこで、例えば不登校が続く高校生なら話ができそうなときに「高校は卒業したい?」「転校したいの?」と簡単な返答が得られる質問がベターです。ただし、ここで二つのことが重要です。まず、質問の前には「今、学校へ行っていないことは気にしていないよ」という子どもの現状を言葉として認めることが必要です。さらには質問の答えに対して期待に反する答えが返ってきたとしても、すぐに「どうして?」「なぜ?」などの執拗な問いかけの言葉はタブーです。もし「うるさい!」「ほっといてくれ!」なんて言う返答があれば、その場は「ごめん」と言って引き下がりましょう。また数日後に同じように聞けばいいと思って下さい。つまり、今は聞けるタイミングではないということです。「簡単な問いかけ」「安心させる言葉」「期待しすぎない気持ち」この三つを心がけて、わが子に問いかけてみて下さい。

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