地元広報誌「うえまち」コラム連載中!もし、我が子が不登校になったら?

第54回

「わが子に合った通信制高校を選ぶには?③」

 このテーマはこれで最後にしたいと思いますが、今回はサポート校の実情に触れながら選択の三つ目の視点について報告したいと思います。
 通信制高校ではサポート校と言う制度があります。本来「学校」とは、指導に必要なすべての施設(教室、職員室、体育館等)が整っているものですが、サポート校は通信制高校と提携し、生徒の学習や生活を支援する学習センターやキャンパスであり、その多くはビルの一室などを拠点として展開されています。もちろん、生徒は提携している通信制高校に在籍し卒業するわけですから、「高卒認定」の扱いではありません。サポート校は、例えばフリースクールや学習塾などの他の事業と並行して運営されているところもあり、その形態は本当に多様です。

 何よりもその特徴は在籍生徒が少なく少人数での指導が行われていることです。雰囲気で言えば、アットホーム的な要素があり、指導も個別指導的なものが多く、いわゆる学校らしいイメージはありません。
 友達関係に傷つき、人との関わりに難しさを感じている生徒にとって、全日制高校のような指導や雰囲気がある通信制高校への入学や転校に躊躇する傾向があります。また同じ失敗をしたくないという思いが強いのです。アットホームな雰囲気の中で、卒業に向けての学習に取り組みながら、少しずつ人と関わるっコミュニケーションが育っていくことで、安心して落ち着いたそして居場所として実感できる日々の生活を送ることが可能になっています。

 しかし、一方、大規模校(通信制高校の本校)のような部活や修学旅行などの実施は、少人数規模のため豊富な内容を望むことはできません。できるなら全日制高校のようなところに通いたいと望む生徒には不向きと言わざるを得ません。また、保護者から見ても、ビルの一室に通うことで本当に高校が卒業できるのか、あるいは質的に高い指導を受けることができるのかと不安の声も多くあることも事実ですが、確かな支援が展開されていることは間違いありません。

 学校らしい雰囲気を望むのか否かは選択の視点としても大切です。どのような指導を受けることがわが子の不登校克服に繋がるのか、3回にわたっての報告を参考にしていただければと思います。      

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