地元広報誌「うえまち」コラム連載中!もし、我が子が不登校になったら?

第57回

相談事例(30)『「不登校になったのは親のせい!」と言われて』

 不登校になって3カ月の優子さん(仮名・高一)は自分の現状を受け入れがたく、極めてネガティブな状態から抜け出せない日々を送っています。何事にも一生懸命に取り組む真面目な生き方は、クラスでも人気者で成績もかなり優秀でした。しかし、進学校に入学後に自分の実力に自信が持てなくなったのか、「学校がしんどい!受験しなければよかった!」と呟くようになってから、ついには全く登校できなくなったのです。そして、お母さんにつらさを訴えるのですが最後にはバトルの様相になり、ついには「私が不登校になったのはお母さんのせい!」と強い口調で迫っているのです。

 誰でもあることですが優子さんは親に認めてもうおうと、背伸びしながらいい子を演じてきたようなところがあります。進学校への入学は本人の希望でもありましたが、お母さんの強い要望でもありました。期待通りの子どもになろうと頑張ってきたのでしょうが、入学後にストレスを抱えエネルギー切れの状態になったものと推測できます。その自分のやるせなさを、「お前のせい!」と言いながらお母さんにぶつけているのです。

 わが子から責められたら本人の言い分を受けとめ、じっくり耳を傾けましょう。わが子から攻撃されるということは、その時点ですでにバトル状態になっているはずです。とりあえず、落ち着かせることが第一です。「あなたの将来のためと思って勧めたことなの」とか「そういうつもりじゃなかったのに」など、親の主張をすることはタブーです。なぜなら、子どもは自分の主張を受け入れられることで、「すべて自分に問題があったわけではない」と少しの安心を得ようとしているからです。 「あの時はこうだった!」とか「あの時、私の意見など聞いてくれなった。」など言ってくるでしょう。それに対して「そう思っていたのね。ごめんね。」 「あの時の貴女の本当の気持ちがわからなかった。悪かったと思っているのよ。」と親の反省の気持ちを素直に伝えましょう。親がわが子の思いを受け入れれば、わが子も親の後悔の言葉を受け入れてくれるものです。

 確かにわが子の主張の中には、親にとって都合の悪い内容もあるでしょう。また、親の言い分もあるでしょう。でも、それは呑みこみましょう。「親に向かって何を言ってるの!」と上から目線で反撃しても、残るのはバトルだけなのです。  

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